「こぞのの田んぼ」は、埼玉県北部の町、寄居町の小園(こぞの)地区に広がる水田の愛称です。

この田んぼは、秩父盆地から関東平野に流れ出た荒川によって作られた扇状地にあり、面積こそ10haと狭いのですが、荒川の流れとその段丘崖を兼ねる里山に囲まれ、春には山桜が咲き誇り、夏には蛍が飛び交い、豊年エビ、カブトエビなどの水中生物も数多く生息する自然豊かな田んぼです。また、文献によれば、少なくとも江戸時代初期には耕作がされていたという歴史のある田んぼです。

昭和の高度成長期以降、寄居町においても宅地化が進み、近隣には米作りがほとんどされなった地区も出現する中、当地においては連綿と米作りを続けてきました。

しかし、近年になり、米作りを取り巻く社会情勢の変化や、地区住民の高齢化、後継者不足などの問題に直面し、このままでは当地でも耕作が行われなくなくなるのも時間の問題ではないかと危惧されるようになりました。

そこで、平成30年、それまでの営農組合をさらに強固な組織に改編し、組織的、効率的な農業経営を行い、次の世代に安心して受け継いでもらうために「農事組合法人小園営農組合」を立ち上げるに至ったのでした。

 

小園田んぼを守ることが、地域の環境を守り、ひいては社会貢献につながるのではないかとの思いから。